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ブランディングデザイン会社

2025.07.25 デザインの話

伝わるパンフレットに必要な“3つの視点”とは

伝わるパンフレットに必要な“3つの視点”とは


パンフレットに「伝わらない」ことが起こる理由

 

パンフレットを作る目的は「情報を届けること」。でも実際には「内容が伝わらなかった」「見てもらえなかった」といった悩みを聞くことがあります。その原因は、デザインや文章のクオリティだけではなく、「どのように伝えるか」という視点が欠けているケースが多いのです。ただ情報を詰め込むのではなく、しっかり届くように設計されていること。それが“伝わる”パンフレットをつくる上で大切な前提です。

 

視点①:読み手の「立場」に立つこと

 

まず何よりも大切なのが、「誰に読んでほしいか」を具体的に想像することです。ターゲットとなる年齢層、業種、関心ごと、読むシーンなどを想定し、その人にとってわかりやすい言葉、読みやすいボリューム、心に響くビジュアルを考えます。「作り手の都合」や「言いたいこと」だけで構成してしまうと、読み手との温度差が生まれてしまう。相手の目線に立ったとき、デザインの方向性も自然と変わってきます。

 

視点②:情報の「目的」を明確にすること

 

パンフレットには、商品紹介・サービス説明・採用案内・会社案内などさまざまな種類があります。それぞれに「伝えるべきこと」や「ゴールとなるアクション」は異なります。「まず知ってもらうための内容」なのか、「詳細まで比較してもらうための資料」なのか。「何をしてほしいのか」が明確になることで、言葉の使い方や情報の粒度、レイアウトのバランスも変わってきます。目的を意識せずに作ると、伝わり方もぼやけてしまうのです。

 

視点③:紙面全体の「動線設計」を意識すること

 

どんなに良い情報が載っていても、「見てもらえなければ伝わらない」。そのために重要なのが、目を引く表紙の工夫、視線の流れに沿った配置、強弱のあるビジュアルの設計です。紙面は上から下、左から右へと読まれることが多いですが、パンフレットの場合は折り方やサイズによって動線が変化します。どうめくられ、どこに注目が集まり、最終的にどんな行動につながるか。視線の流れをデザインでコントロールすることで、「伝えたいことがちゃんと届くパンフレット」になります。

 

“伝わる”は設計からはじまる

 

表現を工夫することも大切ですが、それ以上に「構造」を意識することが、パンフレットづくりでは大きな違いを生みます。読み手の立場、伝える目的、紙面の動線。この3つの視点がしっかりと設計に組み込まれていれば、結果として自然と目に留まり、興味を持ってもらえる仕上がりになります。デザインとは見た目だけではなく、相手との接点を丁寧につくっていくこと。そんな考えで、一つひとつのパンフレットを形にしています。