パンフレットはまだ必要か?「紙」の価値を見直すとき

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デジタルの時代にパンフレット?
SNSやウェブ広告、動画コンテンツなど、あらゆる情報がスマートフォン一つで手に入る今、「紙のパンフレットはもう古い」と感じる人も少なくないかもしれません。でも実際は、展示会や商談の場、店舗の一角など、手に取れる場所でしっかり活躍しています。むしろ「だからこそ」紙の力が見直されているのです。デジタルでは届かない距離感や印象に、紙ならではの強みがあるのです。
「手に取る」から生まれる記憶
パンフレットには、「手に取る」という行動がともないます。この“触れる体験”こそ、記憶に残す力につながります。たとえば商談で説明を受けたあと、カバンにそっとしまったパンフレットを後日見返すことで、サービスや商品の印象が蘇る。Webで流し読みした情報とは違い、紙は「記憶の手がかり」になるのです。少し時間が経っても、パッと見たときに思い出してもらえるような、そんな存在になれたら嬉しいですよね。
紙ならではの情報の伝え方
パンフレットには“ページ”があります。この物理的な構成が、自然とストーリーを持たせやすくします。「表紙で惹きつけ、ページをめくりながら世界観を伝える」——まるで会話をしているような流れで情報を届けられるのが、紙媒体の魅力です。読み手のペースで読み進められるからこそ、理解しやすく、納得感のある構成も可能。内容が多くても圧迫感を与えず、ゆったりと伝えることができるんです。
ビジュアルだけじゃない「質感」の演出
紙を使うということは、素材や加工でもブランドの印象を伝えられるということです。ざらりとしたクラフト紙、つやのあるコート紙、箔押しのあしらい、少し厚めの高級感……どれも「この会社らしい」「このお店っぽい」という感覚につながります。質感から伝わる世界観は、デジタルではなかなか再現できません。視覚だけでなく、手触りや重みなどの感覚を味方につける。それがパンフレットが持つ演出力です。
デジタルと紙の“共存”が鍵になる
今の時代にパンフレットを活かすなら、「紙かデジタルか」ではなく「どう組み合わせるか」を考える視点が必要です。例えば、パンフレットにはQRコードを入れてWebへとつなぐ、詳細情報はWebに集約して紙ではコンパクトにまとめるなど、紙とデジタルのハイブリッド活用が理想的です。双方の強みを知っているからこそできる設計で、届けたい相手に最適な“体験”を届けることができます。
本当に伝えたい人に届く方法を選ぶ
どんな媒体を選ぶにせよ、大切なのは「誰に、何を、どう届けるか」。パンフレットは、“ちゃんと伝えたい”相手がいるときにこそ力を発揮します。ターゲットの目線に立ち、その人の行動や環境まで考えたうえで設計することが、紙媒体の価値をさらに引き上げてくれます。すべての場面に必要というわけではないけれど、必要なタイミングでは欠かせない。そんな立ち位置だからこそ、丁寧につくっていきたいですね。