「ホームページ」と「LP」は何が違う?意外と知らないWebの基本

目次
「ホームページ」とは何か
まずは「ホームページ」という言葉の意味から整理しましょう。一般的にホームページとは、企業やお店などが公式に公開するWebサイト全体のことを指します。トップページを起点に、会社概要、サービス紹介、実績、ブログ、お問い合わせフォームなど複数のページで構成されているのが特徴です。
その目的は、訪問者に対して幅広い情報を提供し、会社やブランドの存在を正しく伝えること。信頼性や安心感を持ってもらうための“名刺代わり”として機能する場でもあります。
「LP(ランディングページ)」とは何か
一方で、ランディングページ(LP)は、特定の目的のために作られた1ページ完結型のWebページです。主な目的は、問い合わせや購入、申し込みなど、ひとつの「アクション」に絞ってユーザーを導くこと。LPでは情報を順を追って丁寧に説明し、迷わせずに行動へとつなげる工夫が凝らされています。
広告やSNS投稿からリンクされるケースが多く、訪問者に余計な選択肢を与えず、「このまま進めばいいんだ」と感じてもらえるように構成されています。
最大の違いは“目的”と“設計思想”
ホームページとLPの最大の違いは、作る目的と設計の考え方にあります。
ホームページは「会社の全体像を知ってもらう」ためのもので、訪問者に自由に回遊してもらう設計になっています。多くの情報を整理し、信頼を積み重ねることが重視されます。
それに対してLPは「1つの行動をしてもらう」ためのものです。最初から最後まで読み進めてもらうことを想定し、余計なリンクを減らして集中させる設計です。よく構成されたLPは、営業トークをWebページに置き換えたような流れを持っています。
使い分けで成果が変わる
例えば、新しい商品やサービスを世に出すとき、SNS広告から直接LPに誘導することで短期間で効果的な成果を狙えます。訪問者はその商品に特化した情報だけを受け取れるので、比較検討する手間がなくなり、行動に移りやすくなります。
一方、企業の全体的な信頼感を得るには、やはりホームページが必要です。会社の沿革や代表のメッセージ、採用情報など、LPではカバーしきれない情報を伝えることで、ブランドの価値を広く伝えることができます。
実際、多くの企業がこの2つを併用しています。ホームページでブランドの土台を築き、LPでキャンペーンやサービス訴求を行う。この使い分けこそが、Web戦略における基本であり、成果を左右する大きなポイントです。
よくある誤解と注意点
よくある質問として、「LPがあればホームページはいらないのでは?」というものがあります。たしかにLPは成果が出やすいページではありますが、信頼性の土台がなければユーザーは不安を感じます。LPに興味を持ったユーザーが会社名で検索し、ホームページが見当たらなかった場合、申込みをためらう可能性があります。
逆に、ホームページしかないと、広告やSNSからの流入を効果的に活用することが難しくなります。訪問者がどこを見ればよいか迷ってしまい、離脱してしまうケースも少なくありません。
大切なのは、「目的に合ったページを適切に使い分けること」。片方だけで十分という考え方ではなく、それぞれの役割を理解したうえで、両方を戦略的に運用することが求められます。
最後に:目的から逆算するWebの考え方
ホームページとLPは、どちらが優れているというものではありません。大切なのは、「誰に」「何を」「どのように伝えたいのか」を明確にし、それに合ったページを設計することです。
・企業の全体像や信頼性を伝えるならホームページ
・商品やサービスの購入・申込につなげたいならLP
このシンプルな使い分けが、成果を生み出す第一歩です。全国の経営者やスタートアップの皆様も、Web活用の場面でこの基本を押さえておくことで、より効果的な情報発信ができるようになるでしょう。