ホームページ保守とは?作業内容と費用相場を解説
ホームページは、企業の「顔」であり、営業活動や採用活動において欠かせない存在です。しかし、多くの企業がホームページを「作って終わり」にしてしまい、更新や保守を怠ることで、セキュリティリスクの高まりや機能停止、ブランドイメージの低下を招いています。
それだけではありません。公開後に何も手を入れない状態が続くと、サイトの表示速度低下、リンク切れ、スマホ表示崩れといった劣化が徐々に進行し、ユーザー離脱を招く原因にもなります。さらに、Googleが重視する Core Web Vitals(表示速度やレイアウト安定性などの指標)において評価が下がれば、SEO(検索順位)にも影響を及ぼします。加えて、昨今ではボット攻撃や脆弱性利用の自動化が進んでおり、脆弱なプラグインや古いCMSを放置していると、改ざんや情報漏えいのリスクが飛躍的に高まります。これらのリスクを未然に防ぐには、日常的な点検・予防保守の仕組みが必須です。
本記事では、ホームページ保守の定義・具体的な作業内容・費用相場・外部委託のメリットまでを、できる限り具体的に解説します。
ホームページの運用を見直したい方、制作会社に保守を依頼したいと考えている方にとって、実務に役立つ包括的な内容となっています。

目次
ホームページ保守とは何か
保守の定義と必要性
ホームページ保守とは、サイトを安全・安定・最適に稼働させるための管理・点検・更新業務の総称です。日常的にはあまり意識されませんが、ホームページは「サーバー」「ドメイン」「データベース」「プログラム」「画像・テキスト」「セキュリティ」の複合システムで動作しています。
一部でも不具合が発生すると、ページが表示されなくなったり、フォームが動作しなくなったりすることがあります。たとえばWordPressのバージョンが古いまま放置されると、脆弱性を突かれ、管理画面への不正アクセスや改ざん被害を受けるリスクが高まります。こうした事故を防ぎ、長期間安定して運用するために必要なのが「保守」です。つまり、ホームページ保守は企業の信頼と顧客体験を守る“見えないインフラ整備”なのです。
保守と運用の違い
「保守」と「運用」はよく混同されますが、目的と役割が異なります。
- ・保守:現状を安定的に維持し、トラブルを防ぐための業務(セキュリティ・更新・障害対応など)
- ・運用:サイトの価値を高めるための活動(記事更新・分析・マーケティングなど)
例を挙げると、定期的なバックアップやサーバー更新は「保守」、新しいキャンペーンページの公開やSNS連携は「運用」です。どちらが欠けても成果は上がりません。保守がなければ安全な運用は成り立たず、運用がなければ保守は無意味になります。
企業によっては、保守と運用をまとめて「管理費」として請求されている場合もありますが、実際には作業範囲が大きく異なるため、契約前に明確に区別することが大切です。
保守が求められる社会的背景
近年、ホームページ保守の重要性が急速に高まっています。理由は主に以下の3点です。
- 1.セキュリティリスクの増加
日本国内のWebサイト改ざん被害は年々増加しており、警察庁の発表によると、2024年時点で年間1万件以上の報告がありました。特にCMSを利用しているサイトは狙われやすく、脆弱なプラグインを悪用されたケースが多数確認されています。 - 2.ブラウザ・端末環境の多様化
スマートフォンやタブレットの普及、ブラウザの自動アップデートなどにより、ホームページが正しく表示されなくなるリスクが増しています。 - 3.GoogleアルゴリズムとSEO要件の変化
Googleは2021年以降「Core Web Vitals(サイト表示速度など)」を重視しており、保守不足による速度低下はSEO評価に悪影響を与えます。
これらの要素を踏まえると、ホームページ保守は「必要コスト」ではなく、事業継続のための戦略投資といえます。

ホームページ保守の具体的な作業内
ホームページ保守の業務は多岐にわたります。ここでは、制作会社や保守代行会社が実際に行っている作業を、技術面・運用面の両方から整理します。
サーバーとドメインの管理
ホームページがインターネット上に存在するためには、サーバー(Webサーバー)とドメイン(住所)が必要です。これらの契約や設定に不備があると、サイトが表示されなくなったり、メールが届かなくなったりする重大なトラブルが発生します。
レンタルサーバーの契約更新
サーバー契約は通常1年更新です。更新忘れや支払い遅延によって突然ホームページが閲覧できなくなるケースが実際にあります。保守では契約更新を自動化し、使用状況の確認やアクセス負荷のモニタリングを行います。特にアクセスが増加しているサイトでは、プラン変更(上位サーバーへの移行)を提案することもあります。
たとえば、ある製造業の企業では展示会後にアクセスが急増し、サーバーがダウンした事例がありました。保守契約を結んでいたことで、即座に上位プランへ移行し、わずか1時間で復旧できたという例もあります。
ドメインの更新手続き
ドメイン(例:www.example.jp)は企業のブランドそのものです。
もし契約を更新し忘れると、他社に取得されてしまうリスクがあります。
また、ドメイン更新が切れると、メールも利用できなくなります。
保守契約では、更新期限を管理し、自動更新・バックアップドメインの設定などを行うことで、ブランド資産の喪失を防止します。
SSL証明書の管理と更新
SSL証明書とは、Webサイトとユーザー間の通信を暗号化するためのデジタル証明です。
これにより、個人情報の送信や問い合わせフォーム利用時の通信が安全になります。
現在では、Google ChromeなどのブラウザがSSL非対応サイトを「保護されていない通信」と警告するため、SSL対応は必須です。
SSL証明書には有効期限があり、1年〜2年ごとに更新が必要です。
期限切れを放置すると、サイトのアクセス自体がブロックされることもあります。
保守業務では、有効期限の監視と更新手続きを自動化し、サイトの信頼性を常に維持します。
また、無料SSL(Let’s Encryptなど)を利用するケースもありますが、設定・更新ミスによるトラブルも多く、プロによる保守が安心です。
CMSやプラグインのアップデート
ホームページ制作ではWordPressが最も多く利用されていますが、その柔軟さは同時にリスクにもなります。
WordPressやプラグインは頻繁にアップデートされますが、更新を怠るとセキュリティホールが残ります。
WordPressのバージョン管理
WordPressは世界シェア60%以上を誇るCMSですが、サイバー攻撃の約9割がWordPressサイトを狙っているともいわれます(Sucuri調査)。
そのため、常に最新のバージョンへ更新し、旧テーマやプラグインとの互換性を確認することが保守業務の要です。
万一不具合が生じても、保守契約があればバックアップから短時間で復元可能です。
プラグインの互換性確認
便利な機能を追加できるプラグインですが、開発停止となるケースもあり、古いプラグインを使い続けるとサイト全体が停止することもあります。
保守担当者は、定期的にプラグインの更新情報をチェックし、安定版への切り替えや代替提案を行います。
セキュリティ対策と監視
セキュリティは保守の中心です。
特に個人情報を扱うサイトやECサイトでは、24時間の監視体制が求められることもあります。
不正アクセスの防止
セキュリティ対策には、ログイン制限・二段階認証・ファイアウォール設定などがあります。
さらに、海外IPからの不審アクセスをブロックし、アクセスログを解析することで、攻撃の兆候を早期に発見します。
保守契約によっては、WAF(Web Application Firewall)の導入をサポートし、脆弱性を常に監視します。
バックアップの定期実行
データ消失のリスクを防ぐため、定期的なバックアップは欠かせません。
一般的に、週1回〜月1回の自動バックアップ+手動バックアップが推奨されています。
保守では、複数の保存先(サーバー内+クラウド)にバックアップを取り、災害やハッキングによるデータ消失にも備えます。
ホームページ保守の具体的な作業内容(チェックリスト形式)
以下のチェックリストを用いて見落とし防止と実践性を高めることができます。
| 項目 | 作業内容 | 頻度・備考 |
|---|---|---|
| サーバー契約・モニタリング | サーバー稼働状態監視、負荷状況確認、プラン見直し | 日次/月次 |
| ドメイン更新管理 | 更新期限チェック、自動更新設定、DNS設定確認 | 年次/期日前対応 |
| SSL証明書管理 | 更新期限管理、暗号方式更新、再発行対応 | 年次/証明書更新時 |
| CMS(例:WordPress)アップデート | コア・テーマ・プラグイン更新、互換性確認 | 月次以上 |
| プラグイン監査 | 廃止・非推奨プラグイン削除、代替検討 | 半年〜年次 |
| バックアップ | 自動バックアップ、複数保存先(サーバー内・クラウド等) | 日次/週次+手動定期 |
| セキュリティ対策 | WAF設定、不正ログイン制限、2段階認証、IP制限 | 常時監視 |
| 異常アクセス検知 | ログ解析、異常なリクエスト遮断、ボット攻撃防止 | リアルタイム/日次 |
| 障害対応 | 表示エラー、DB接続障害、フォーム不具合対応 | 随時 |
| コンテンツ更新 | テキスト修正、画像差替、リンク修正、ニュース更新 | 依頼ベース |
| 表示チェック | 各ブラウザ・端末で表示崩れ確認 | 定期(特にアップデート後) |
| パフォーマンス改善 | 画像最適化、キャッシュ設定、リソース遅延読み込み | 随時 |
| アクセス解析・レポート | Google Analytics/Search Console確認、月次レポート提示 | 月次 |
| SEO/改善提案 | キーワード調査、改善施策提案、ABテスト支援 | 四半期〜半年単位 |
| 法令・ガイドライン順守チェック | 個人情報保護、Cookie同意(GDPR等)、アクセシビリティ | 半年〜年次 |
このチェックリストを契約書などに落とし込み、どこまで対応するかを明示しておくと、クライアント・委託先双方の認識ズレを防ぎやすくなります。
実際の作業内容を例示すると、
- ・サーバーCPU使用率が80 %を超える状態が3日連続した → 上位プランへの移行を提案
- ・プラグインAが脆弱性アラート発生 → 速やかに更新または代替プラグインへの差し替え
- ・表示崩れが一部端末で発生 → CSS修正、再確認
- ・週次バックアップのファイルが破損 → 別バックアップ先での冗長保存設定
- ・月次レポートで直帰率の高いページを指摘 → 内容改善案を提案
こうした具体例を随所に入れておくと、「保守って実際に何やってくれるんだろう?」という疑問に応えられます。

ホームページ保守の費用相場
ホームページ保守の費用は、サイトの規模・機能・更新頻度・セキュリティ要件によって大きく異なります。
ここでは、自社で行う場合と、制作会社へ委託する場合の両方を比較しながら、費用感を詳しく解説します。
自社で保守する場合の費用
一見すると、社内で行う方がコストがかからないように思えますが、実際には人件費・教育費・時間的コストが大きくのしかかります。
たとえば、月1回のCMSアップデートと週1回のバックアップを社内担当者が行うとします。
1時間あたりの人件費が3,000円で月6時間かけると、月18,000円、年間21万円以上になります。
さらに、担当者が他業務と兼任している場合、知識不足による設定ミスやセキュリティリスクが発生することもあります。
そのため、自社対応は「軽微な修正や報告内容の確認」にとどめ、技術的な保守は外部委託するのが現実的です。
制作会社に委託する場合の費用
制作会社やWeb運用会社に委託する場合、月額契約が一般的です。
保守内容に応じて、以下のような価格帯に分類されます。
月額1万円前後のプラン
もっともシンプルな保守プランです。
内容は主にサーバー・ドメイン管理、SSL更新、軽微なトラブル対応が中心で、静的サイトや小規模事業者向けです。
たとえば、店舗サイトやコーポレートサイトの基礎保守で利用されています。
月額2万〜5万円のプラン
中規模サイトで最も選ばれるのがこの価格帯です。
CMS更新、セキュリティ監視、定期バックアップ、表示確認など、運営の安心を確保するバランスの取れたプランです。
多くの中小企業がこのレンジで契約しています。
月額5万円以上のプラン
システム開発を含むサイトやECサイト、アクセス解析・改善提案までを含む総合プランです。
担当者が常時監視し、障害発生時には即時対応。
社内IT部門の代替となるレベルの保守体制を構築できます。
特に、1日の売上が数十万円単位で動くECサイトでは、サーバーダウンの1時間が大きな損失になるため、このクラスの保守が標準です。
ECサイトの保守費用
ECサイトでは、商品登録やシステム連携が多いため、通常サイトより保守範囲が広くなります。
特に、カートシステム・決済機能・在庫管理・セキュリティ監視など、専門知識を要する要素が多く、月額5〜10万円が相場です。
また、繁忙期にはトラフィックが数倍に跳ね上がるため、サーバーの負荷分散や一時拡張対応が必要です。
これを適切にコントロールできる保守パートナーは、売上の安定化に直結します。
さらに、ECサイトの保守では個人情報保護法への対応が不可欠です。
SSL・ログ保存・アクセス制御の徹底により、顧客情報を守る責任を果たすことが求められます。
外部委託のメリット
- 1.専門知識・最新技術へのアクセス
Web技術は日進月歩。外部委託先は複数案件で知見を持ち、新しい脆弱性やベストプラクティスをキャッチアップしていることが多い。 - 2.緊急時の迅速対応
稼働中の問題には即応力が求められるため、専属保守体制や平日夜間対応、緊急連絡ルートを持つ会社を選択肢とするメリットを強調できます。 - 3.本業リソースの集中
社内担当者がトラブル対応に追われることがなくなり、マーケティング・営業・事業開発など本来業務に集中できる。 - 4.成果へのフィードバック機能が得られる
保守業務を通じてサイトの運用実態を把握している保守会社だからこそ、改善提案・SEO施策・UX改善などを含めた付加価値提供が可能。
委託リスクと回避策
ただし、外部委託にはリスクもあるため、次のような注意点と回避策を併記しておくと信頼性が高まります。
| リスク | 回避策 |
|---|---|
| 契約範囲が曖昧 | チェックリスト形式で作業範囲を明確化(前節の一覧を参照) |
| レスポンス遅延 | 緊急対応時間、SLAs(サービスレベル合意)を契約に含める |
| 知識・技術不足 | 過去実績、技術スタック、契約前の技術面ヒアリングを実施 |
| 引き継ぎ不備 | 契約終了時のデータ納品・引き継ぎ手順を明示 |
| ベンダーロック | プロジェクト方式やモジュール方式を採用、ソースコードの所有権明確化 |
特に「契約終了時の引き継ぎ」は見落とされがちです。たとえば、自社で他社へ切り替える場合でも、CMS・テーマ・設定内容・アクセスログ・バックアップデータなどを適切に引き渡してもらえるようにしておく必要があります。
ホームページ保守の費用相場(一覧)
Web幹事の記事「ホームページ管理費・保守費用の相場と内訳を解説」では、月額5,000円~2万円が一般的な相場であるとのデータが示されています。参照記事:Web幹事
上記では、「月額1万円前後/2〜5万円/5万円以上」の分類が記載されています。これらを統合して、相場感を提示しつつ、提示されていない中間層や注意点を補足します。
自社で保守する場合の隠れコストを深掘り
- ・人的コスト:年間20万円超という例は記事内でもありますが、加えて教育コスト、情報キャッチアップ時間が発生
- ・リスクコスト:脆弱性未対処による改ざん・情報漏洩等の損害
- ・機会ロス:不具合対応中は本来の業務に割ける時間が減る
- ・スケール障壁:サイト拡張や機能追加時に対応しきれないケース
これらを「見えないコスト」として説明しておくと、読者に外部委託の意義がより伝わります。
委託時の月額相場
以下は、保守管理の相場の参考にしていただけますと幸いです。
| レンジ | 主な対象 | 想定作業内容 |
|---|---|---|
| 月額 ~5,000円 | 静的・簡易サイト | サーバー/ドメイン/SSLの維持管理のみ |
| 月額 5,000円~2万円 | 小〜中規模サイト | 軽微な更新、障害対応、サポート付き |
| 月額 2万円~5万円 | CMSサイト、定期更新型 | CMSアップデート、レポート、改善提案など含む |
| 月額 5万円~10万円 | ECサイト、機能拡張型 | 決済連携、在庫管理、トラフィック対応、セキュリティ強化含む |
| 月額 10万円以上 | 大規模サイト、複雑システム | 専属体制、24時間対応、SI連携、マーケティング支援含む |
Web幹事の記事では、実際の管理費の平均値は約4.1万円、中央値は1.1万円というデータも出ていますが、中央値が低いということは「多くの案件は比較的ライトな保守にとどまっている」傾向が読み取れます。Web幹事
ECサイト保守の注意点と追加費用要因
ECサイトは保守コストが高くなりがちです。以下のような追加要因を強調しておくとよいでしょう。
- ・決済システムや在庫管理システムとの連携(APIエラー対応など)
- ・注文処理・メール通知トラブル対応
- ・売上トラッキング・キャンペーン実施支援
- ・ピーク時のアクセス急増対策(キャッシュ戦略、負荷分散)
- ・個人情報保護・PCI DSS準拠対応
これらを考えると、ECサイト保守では月額5~10万以上、場合によっては月額20万円近くになることもあります。

ホームページ保守を外部委託するメリット
ホームページ保守を外部委託する最大のメリットは、専門性・即応性・コスト効率の3点にあります。
社内リソースを使わず、トラブルを未然に防ぎ、運用の品質を高めることができます。
専門知識が不要になる
Webの技術は日々進化しており、HTMLやCSS、PHPなどの知識を常にアップデートするのは現実的ではありません。
外部の制作会社に委託すれば、最新のセキュリティ・CMS構造・ブラウザ仕様に精通したプロが対応します。
結果として、ミスのない安定稼働が実現します。
また、トラブル発生時も、原因の特定から復旧までワンストップで依頼でき、社内対応の負担を軽減します。
たとえば、突然WordPressの編集画面が真っ白になった場合でも、経験豊富な保守チームなら30分以内に復旧対応が可能です。
緊急時の迅速な対応
Webサイトは365日稼働しています。
深夜や休日にサーバーが落ちても、翌営業日まで放置するわけにはいきません。
保守契約があれば、24時間監視・緊急対応窓口を設けている会社も多く、障害発生から最短数十分で復旧できます。
これにより、顧客からの信頼を損なうリスクを大幅に減らせます。
とくにECサイトやBtoBサイトでは、「問い合わせが届かない」「決済が止まる」などが発生すると、1時間で数十万円の損失になることもあります。
保守契約は、こうした“保険”の意味合いを持ちます。
本業に集中できる
社内の担当者がホームページのトラブル対応に追われると、本来の業務に支障をきたします。
外部委託を行うことで、自社の経営資源をコア業務に集中できるのです。
また、保守会社が運用改善の提案も行ってくれる場合、マーケティング施策やSEO対策の質も向上します。
結果として、費用対効果の高い投資となります。

ホームページ保守で失敗しないためのポイント
ホームページ保守を成功させるには、契約範囲の明確化・体制整備・パートナー選定が重要です。
ここでは、契約前後に確認すべきポイントを整理します。
保守範囲を明確に定める
保守契約で最も多いトラブルは、「どこまで対応してもらえるのか」が不明確なことです。
たとえば、「サーバー管理は対象外」「WordPressのプラグイン更新は別費用」など、後から知るケースがあります。
契約書には、
- ・対応範囲(サーバー・ドメイン・CMS・メール)
- ・対応時間(平日のみ or 24時間)
- ・トラブル発生時の対応フロー
を明記しておく必要があります。
これにより、双方の認識ズレを防ぎ、スムーズで信頼性の高いパートナーシップが築けます。
運用体制を整備する
保守を外部委託しても、社内に最低限の体制は必要です。
たとえば、更新依頼や確認作業の窓口を1名に統一することで、伝達ミスや遅延を防げます。
また、社内の更新履歴を共有し、「誰が・いつ・何を変更したか」を把握しておくことも重要です。
このような内部管理が整っている企業ほど、外部パートナーとの連携がスムーズに進みます。
制作会社選びのチェックポイント
保守契約を依頼する制作会社を選ぶ際は、価格よりも信頼性と実績を重視すべきです。
以下の点を確認しましょう。
- 1.保守専任チームが存在するか
- 2.過去の対応実績・復旧スピード
- 3.監視体制(24時間・有人監視など)
- 4.サポート対応(電話・メール・チャット)
- 5.技術知識(WordPress・サーバー構築・セキュリティ)
これらを確認すれば、「安いけど連絡が遅い」「専門知識が不足している」といった失敗を避けられます。
また、技術的な観点で委託先を評価する指標を追加しておくと、選定判断力が上がります。
- ・案件数・稼働中サイト数:複数案件を扱っている会社のほうがノウハウ蓄積が期待できる
- ・復旧実績・平均復旧時間(MTTR: Mean Time To Repair)
- ・監視体制の有無:24時間監視・障害アラート連携体制
- ・使用技術スタック:対応可能なCMS/フレームワーク/PHPバージョン等
- ・脆弱性診断体制:定期脆弱性診断や外部セキュリティチェック導入実績
- ・バックアップ・冗長性設計:ミラーリング、複数保存先、オフサイトバックアップ制度
- ・改善提案力:アクセスログ解析、改善レポート提示実績
- ・情報開示性:月次レポート、ログ閲覧権限、更新履歴・通知制度
- ・代替性:契約解除後の引き継ぎ対応、ソース所有権など
- ・法令順守:個人情報、Cookie同意、アクセシビリティ対応実績
これらを営業フェーズでヒアリングできるよう、質問リストとして記事中に提示するとよいでしょう。

まとめ
ここまで、ホームページ保守の定義から具体的な作業、費用相場、外部委託のメリット、契約時の注意点までを詳しく解説しました。
要点を振り返ると、次の通りです。
- ・ホームページ保守は「守ること」の業務を指し、運用とは異なる
- ・ただ保守するだけでなく、予防・改善を含む体制を持つことが理想
- ・保守費用はサイト規模・機能・更新頻度によって大きく変動
- ・外部委託には専門性・即応力・リソース集中などのメリットだが、契約ミスや選定ミスのリスクもある
- ・契約前後のチェックリストを活用し、ズレを防止する
Webサイトは「作ること」よりも「守ること」が難しいと言われます。
特に中小企業では担当者が1人の場合も多く、保守を外部に任せることが長期的な安心とコスト削減につながります。
今すぐできるチェック項目
- □ 契約中の保守範囲を文書で確認
- □ 保守契約書にSLA・緊急対応時間が明記されているか確認
- □ 月次レポート/改善提案制度が含まれているか
- □ 定期バックアップ体制が複数保存先で実施されているか
- □ 契約解除時の引き継ぎ手順が定められているか
- □ 技術スタック・対応可能CMS・脆弱性診断体制を確認
- □ 過去の対応実績(復旧スピードなど)をヒアリング
- □ SLA違反時の対応や補償制度を確認
これらを順番にチェックすることで、「安心できる保守契約の入口」を確保できるでしょう。

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特に、WordPressを利用したサイト保守では、最新バージョン管理とカスタムテーマの互換性検証を定期的に実施し、不具合や脆弱性を未然に防ぎます。
さらに、SEO改善やアクセス解析のサポートも行い、「守るだけでなく成果を出す保守」を実現しています。
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