WordPressのセキュリティ対策完全ガイド|初心者でも実践できる安全強化10の方法
 
                                            WordPressは世界中のWebサイトの40%以上で利用されている、最も人気の高いCMS(コンテンツ管理システム)です。しかしその普及率の高さゆえに、攻撃者から最も狙われやすい存在でもあります。実際に、脆弱性を放置したテーマやプラグインを通じた侵入、不正アクセスによる改ざん、スパム送信や個人情報の漏洩など、被害の多くは「基本的な対策不足」から発生しています。
このガイドでは、初心者でも実践できるWordPressのセキュリティ対策を体系的に解説します。サイト運営者が理解すべきリスクから、具体的な防御策、万一の被害対応までを一通り把握できる内容です。特別な知識がなくても、今日から自社サイトを守る第一歩を踏み出せます。

目次
なぜWordPressのセキュリティ対策が重要なのか
WordPressは利便性が高く、デザインや機能を自由にカスタマイズできる反面、その柔軟性がセキュリティリスクにもつながります。世界的に利用されているため、攻撃者にとっては「効率的なターゲット」なのです。ここでは、なぜWordPressが狙われやすいのか、そして被害を受けた場合にどのような影響があるのかを解説します。
WordPressは攻撃対象になりやすい構造
WordPressはオープンソースであり、誰でもコードを閲覧・利用できることが特徴です。これにより世界中の開発者がプラグインやテーマを制作し、機能拡張の幅が広がっています。しかしその裏では、ソースコードの公開が脆弱性の発見を容易にしてしまうという側面もあります。攻撃者は既知の脆弱性を突くツールを自動化し、数万単位で無作為に攻撃を試みます。
特に注意すべきは、更新を怠ったプラグインや古いテーマです。たとえば、WordPress本体を最新版に保っていても、古いプラグインに脆弱性が残っていれば攻撃の入口となります。また、認証情報を狙う「ブルートフォース攻撃(総当たり攻撃)」や、フォーム経由の「クロスサイトスクリプティング(XSS)」なども頻発しています。さらに、初心者が導入しがちな無料テーマの中には、信頼性の低いコードが含まれているケースもあります。これらはバックドアを仕込まれていることがあり、知らないうちに外部から遠隔操作されるリスクがあります。便利さの裏にあるリスクを正しく理解することが、WordPress運営の第一歩といえるでしょう。
CMSシェアが高く、攻撃者の標的になりやすい
WordPressはCMS市場の約65%を占めています。攻撃者にとっては、同じ仕組みを持つサイトを狙えば一度の攻撃で大量の被害を与えられるという効率の良さが魅力です。WordPress特有のフォルダ構造やURLパターンを自動検出するボットも存在し、無差別攻撃の多くはこのような自動化されたツールによって行われています。
脆弱性のあるテーマやプラグインを狙われる
多機能なプラグインやデザイン性の高いテーマは便利ですが、更新が止まると一気にリスク要因となります。たとえば、2023年には人気プラグイン「Contact Form 7」に脆弱性が見つかり、数百万サイトが影響を受けました。開発停止やメンテナンス不足のプラグインは、見えない爆弾になりかねません。
初心者サイトの設定ミスを悪用されるケースも多い
WordPressはインストールが簡単な反面、初期設定のまま放置されるケースが多いです。管理者アカウント名を「admin」のままにしている、ディレクトリブラウズを無効化していないなど、設定ミスがそのまま侵入経路になります。攻撃者はこうした「隙」を狙い、わずか数分でアクセス権を奪うことも可能です。
小規模サイトでも被害を受ける可能性
「うちは小さなサイトだから狙われない」と考えるのは危険です。実際の攻撃の多くは、自動スクリプトによる無差別スキャンであり、規模や業種は関係ありません。むしろ個人ブログや小規模企業のサイトのほうが、対策が甘い分だけ狙われやすい傾向があります。たとえば、他サイト攻撃の踏み台に利用されるケースがあります。攻撃者はあなたのサーバーに不正プログラムを仕込み、別の企業サイトへ攻撃を仕掛ける「中継点」として利用します。これにより、本人が意図しないうちに犯罪行為の一部に加担してしまう危険性があります。さらに、サイトの改ざんやマルウェア感染が検出されると、Googleの検索結果から除外される可能性もあります。これはアクセス数の激減を意味し、ビジネスにとって大きな打撃となります。セキュリティ被害は技術的な損害だけでなく、信用・ブランドイメージの低下にも直結することを忘れてはいけません。
他システム攻撃の踏み台として悪用される
攻撃者は、脆弱なサイトを感染経路として利用します。改ざんされたファイルが他サイトへ攻撃を転送する「ボットネット攻撃」や、スパムメール送信元として悪用されることも珍しくありません。知らないうちに他者への迷惑行為を引き起こしている可能性があるのです。
信用・ブランドイメージの低下
Webサイトは企業の「顔」です。トップページが改ざんされていたり、マルウェアが検出されると、訪問者の信頼は一瞬で失われます。一度失った信頼を取り戻すには、長い時間と費用がかかります。セキュリティはブランディングの一部として考える必要があります。
情報漏洩・損害賠償のリスク
もし顧客データや会員情報が流出すれば、個人情報保護法に基づく報告義務や損害賠償が発生する場合もあります。特にECサイトでは、クレジットカード情報が狙われることもあり、被害額が数百万〜数千万円に上ることもあります。中小企業こそ、早期の備えが欠かせません。

WordPressでよくあるセキュリティ被害
セキュリティリスクは実際にどのような形で現れるのか。ここではWordPressサイトで特によく発生する被害例を紹介します。こうした実例を知ることで、自社サイトの脆弱性を見直すきっかけになります。
不正アクセスとサイト改ざん
最も多い被害が「不正アクセス」です。攻撃者はログイン情報を盗むか、脆弱なプラグインを介して管理画面に侵入します。その結果、トップページの内容を勝手に書き換えたり、広告リンクを埋め込んだりするケースがあります。これにより、ユーザーが不正サイトへ誘導される、マルウェアが拡散するといった二次被害が発生します。
トップページが書き換えられる
サイト訪問者が最初に目にするトップページが改ざんされると、ブランドイメージに壊滅的なダメージを与えます。見た目が一見正常でも、裏側で不正コードが仕込まれているケースもあり、気づくのが遅れることがあります。
不正スクリプトの埋め込みによる被害
改ざん後にJavaScriptなどのスクリプトを埋め込まれると、訪問者のブラウザで自動的に悪意のある動作が行われます。たとえば、個人情報入力フォームが偽装ページへ転送される、マルウェアが自動ダウンロードされるなどの事例があります。

WordPressの脆弱性と主なリスク
WordPressのセキュリティを守るうえでまず理解すべきなのが、「どこに危険が潜んでいるのか」という点です。脆弱性(ぜいじゃくせい)とは、外部からの攻撃に対して弱点となる部分のことを指します。WordPressは世界中で利用されているため、攻撃者もその構造を熟知しています。ここでは、代表的な3つのリスクを見ていきましょう。
ソフトウェアの更新不足
WordPressサイトにおける被害の大半は、「更新を怠ったこと」が原因です。WordPress本体・テーマ・プラグインは常に改良と修正が行われています。更新情報の中には、脆弱性の修正が含まれている場合が多く、アップデートを放置することは「穴を開けたまま運用している」状態といえます。
また、更新を後回しにすることで、古いコードとの互換性が失われ、不具合や表示崩れが発生するリスクも高まります。更新は必ずバックアップを取ったうえで、定期的に実施することが大切です。
古いWordPress本体・プラグイン・テーマを放置
セキュリティ上の脆弱性は、WordPress本体よりもプラグインやテーマに多く存在します。特に無料で配布されているテーマは、開発者のサポートが停止している場合があり、放置されたままのコードが攻撃の入口になることがあります。
既知の脆弱性を悪用される
攻撃者は常に脆弱性データベースを監視しており、発見された脆弱性を利用した自動攻撃ツールをすぐに作成します。つまり、脆弱性が公表された瞬間から危険は始まるのです。更新通知が届いたら、できるだけ早く対応するよう心がけましょう。
ログイン・認証周りのリスク
WordPress管理画面(/wp-admin/)やログインページ(wp-login.php)は、最も狙われやすいポイントのひとつです。攻撃者は総当たり攻撃(Brute Force Attack)を仕掛け、何千通りものパスワードを自動で試します。また、パスワードの使い回しや単純な文字列も危険です。SNSや他のサービスで漏洩したID情報を利用し、リスト型攻撃によって不正ログインされるケースもあります。
総当たり攻撃(Brute Force)による侵入
「admin」や「123456」といった簡単なパスワードは数秒で突破されます。複数の大文字・小文字・数字・記号を組み合わせた強固なパスワードを設定し、定期的に変更することが重要です。
パスワードの使い回しによる漏洩
他サービスと同じパスワードを使い回していると、ひとつの流出で全サイトが危険にさらされます。WordPress専用のログイン情報を用意することが最低限の防衛策です。
wp-login.phpやwp-adminへのアクセス制限欠如
WordPress標準のログインページは誰でもアクセス可能なため、ボットによるスキャン対象になりやすいです。ログイン試行制限やIP制限を設定し、不審なアクセスを遮断することで、攻撃の9割を防ぐことができます。
不正アクセス後の被害拡大
一度侵入を許してしまうと、被害は急速に広がります。WordPressのファイルはPHPで動的に生成されるため、悪意あるコードを1行書き込まれるだけで、全ページに影響を及ぼすこともあります。
改ざん・マルウェア埋め込み
攻撃者はテーマファイルやプラグインにマルウェアコードを仕込み、外部からリモート操作できる状態を作ります。この状態をバックドアと呼びます。外部から不正ファイルをアップロードされたり、サイトのコンテンツを勝手に書き換えられたりする危険があります。
踏み台化による他サイト攻撃
感染したサイトは、他サイト攻撃の踏み台として利用されることがあります。気づかないうちに攻撃の加害者になってしまい、サーバー契約の停止や信用失墜につながるケースもあります。
検索エンジンでのペナルティ
Googleなどの検索エンジンは、マルウェアや不正コードを検出すると警告を表示し、検索順位を大幅に下げます。最悪の場合、インデックス削除(検索結果からの除外)となるため、被害後の影響は非常に大きいです。

WordPressを守る10のセキュリティ対策
WordPressを安全に運用するためには、「攻撃を防ぐ仕組み」と「被害を最小限に抑える仕組み」の両方が必要です。ここでは、初心者でもすぐに実践できる10の具体的な対策を紹介します。
1. WordPress・プラグイン・テーマを常に最新に保つ
最も基本的かつ効果的な対策です。更新通知を見逃さない仕組みを作りましょう。自動更新機能を有効化しておくと、WordPress本体や一部プラグインが自動でアップデートされます。手動の場合でも、月1回のチェックを習慣化することが推奨されます。
2. 使用していないテーマ・プラグインを削除する
不要なテーマやプラグインを残しておくと、それ自体がリスクになります。特に、停止中のプラグインにも脆弱性が存在することがあります。「使っていないものは削除する」という意識が大切です。
3. 強固なパスワードとニックネーム設定を行う
ユーザー名とパスワードの組み合わせが単純だと、攻撃者に突破されやすくなります。管理者名を「admin」から別の名前に変更し、パスワードには英数字・記号を含めましょう。また、ニックネームを設定して投稿者名として表示することで、ログインIDを隠す工夫も効果的です。
4. ログイン試行制限・IP制限を設ける
WordPressには「Limit Login Attempts Reloaded」などのプラグインを使えば、一定回数ログインに失敗したユーザーのアクセスを自動でブロックできます。また、管理画面へのアクセスを自分のIPアドレスのみに制限することで、第三者の侵入を防げます。
5. ログインURLを変更して不正アクセスを防ぐ
標準のログインURL(wp-login.php)は攻撃対象になりやすいため、独自のURLに変更することで攻撃を避けやすくなります。プラグイン「WPS Hide Login」などを使用すると、数クリックで設定可能です。
6. サイト全体をSSL化(HTTPS化)する
SSL(Secure Sockets Layer)とは、通信データを暗号化して第三者による盗聴を防ぐ仕組みです。現在はLet’s Encryptなどの無料SSLもあり、導入のハードルは高くありません。SSL化されていないサイトはブラウザで警告が表示されるため、必ずhttps対応を行いましょう。
7. 定期的にバックアップを取る
万が一の際に備えて、定期的にバックアップを取ることが重要です。サーバー業者の自動バックアップに加え、プラグイン「UpdraftPlus」などを活用すると、Google Driveなどの外部ストレージにも保存できます。バックアップの複数化がポイントです。
8. セキュリティプラグインを導入する
WordPressには多くのセキュリティプラグインがあります。代表的なのは「Wordfence Security」と「SiteGuard WP Plugin」です。ログイン試行制限・改ざん検知・ファイアウォールなど多機能で、初心者でも簡単に導入できます。
9. ファイル・ディレクトリ権限を適切に設定する
WordPressのファイルやディレクトリにはアクセス権限(パーミッション)が設定されています。権限を緩く設定しすぎると、不正ファイルのアップロードを許してしまう恐れがあります。一般的には「ファイル:644」「ディレクトリ:755」が安全な設定です。
10. WAF(Webアプリケーションファイアウォール)を導入する
WAFとは、Webサイトへの通信を監視し、不正なリクエストを遮断するシステムです。レンタルサーバーによっては標準で提供されている場合もあります。外部サービスとして「SiteLock」や「Cloudflare」などを利用するのも効果的です。外部攻撃の第一防衛線として非常に重要な存在です。

被害を受けた場合の対処法
万全なセキュリティ対策を施していても、100%安全とは言い切れません。もしWordPressサイトが不正アクセスや改ざんの被害を受けた場合、初動対応の速さと正確さが被害拡大を防ぐ鍵になります。ここでは、実際に被害を受けた場合の対応手順を段階的に解説します。
サーバー・サイトへのアクセスを一時遮断
まず最初に行うべきは、被害の拡大を食い止めるための遮断措置です。サーバーコントロールパネル(例:cPanelやConoHa WING管理画面)にアクセスし、サイトを一時的にメンテナンスモードへ切り替えましょう。不正なアクセスが続いている状態で復旧作業を進めると、さらにデータが上書きされたり、バックアップが汚染されたりする恐れがあります。
また、レンタルサーバーによっては「アクセス制限」や「WAF強制ON」機能を備えています。これを利用して一時的に外部からの通信を遮断し、原因調査を安全に行える環境を確保しましょう。
改ざんファイルの特定と削除
不正アクセスを受けた場合、改ざんされたファイルを見つけて除去する必要があります。FTPツールでサーバー内のファイルを確認し、更新日時が不自然に新しいものや、見慣れないPHPファイルがないかをチェックしてください。とくに「wp-content」内のテーマフォルダや「uploads」ディレクトリに紛れ込んでいるケースが多く見られます。
改ざん箇所の特定には、セキュリティプラグイン「Wordfence Security」や「Sucuri Security」を活用すると効率的です。これらはファイル改ざんを検知し、どのファイルがいつ変更されたのかを一覧で確認できます。疑わしいファイルを削除し、必要に応じて安全なバックアップデータで上書きします。
パスワード変更・再発防止策の実施
攻撃者がログイン情報を不正入手している可能性もあるため、全アカウントのパスワードを即時変更します。WordPress管理者だけでなく、FTP、データベース(MySQL)、メールアカウントなど、連動するすべてのパスワードを対象にしてください。
そのうえで、以下の再発防止策を講じます。
- ・管理者アカウントを必要最小限にする
- ・ログイン履歴を監視できるプラグインを導入
- ・wp-login.phpのアクセス制限を強化
- ・セキュリティプラグインのファイアウォールを有効化
同じ設定を繰り返さないことが再発防止の第一歩です。被害を受けた原因を突き止め、設定や運用の穴を修正しましょう。
セキュリティ専門業者・サーバー会社への相談
被害が大規模な場合や自力での対応が難しい場合は、早めに専門業者へ相談することが重要です。
多くのレンタルサーバー事業者(エックスサーバー、ConoHa、ロリポップなど)は、セキュリティ被害対応のサポート窓口を設けています。また、WordPress専門のセキュリティ業者では、感染ファイルの除去からサーバー再設定までをワンストップで代行するサービスもあります。
被害を放置すると、検索エンジンからの評価が下がり、アクセス回復に数か月を要するケースもあります。早期の相談・復旧が信頼回復の鍵です。

WordPressのセキュリティを維持するための習慣
セキュリティ対策は「導入して終わり」ではありません。サイトを継続的に安全に運用するためには、定期的なチェックと運用ルールの整備が不可欠です。ここでは、維持・運用のための実践的な習慣を紹介します。
定期メンテナンスと診断
WordPressには「サイトヘルス」という便利な診断機能があります。管理画面の[ツール]→[サイトヘルス]から、セキュリティやパフォーマンスの状態を確認できます。ここで「改善が必要」と表示された項目は、早めに対応しましょう。
さらに、外部の脆弱性情報データベース(JVN、WPScanなど)を定期的に確認することも重要です。新たな脆弱性が報告された際には、該当プラグインやテーマの使用を一時停止する判断も必要です。
セキュリティ運用ルールの整備
複数人でWordPressを運用している場合、セキュリティルールを文書化することをおすすめします。例えば以下のような運用基準を設けると、ヒューマンエラーを防ぎやすくなります。
- ・更新・バックアップのスケジュールを明確化(例:毎週金曜実施)
- ・権限管理を明確にし、不要な管理者アカウントを削除
- ・操作ログ(Audit Log)の確認を月1回以上実施
これにより、誰が・いつ・どの操作を行ったかを追跡でき、内部からの不正やミスも未然に防止できます。
運用担当者のセキュリティ意識を高める
どれだけ仕組みを整えても、最後に守るのは「人」です。運用担当者が不審なメールを開いたり、安易なパスワードを使ったりすれば、攻撃者に付け入る隙を与えます。社内研修やチェックリストを用いて、全員の意識を一定水準に保つことが大切です。セキュリティは技術と意識の両輪で成り立ちます。WordPressを長く安心して運用するためには、定期的な見直しと学びが欠かせません。

まとめ|当社GRASPERSが提案するセキュリティ強化の考え方
WordPressのセキュリティ対策は、一見すると専門的で難しい印象を持たれがちですが、基本を押さえれば誰でも堅牢なサイトを構築できます。
最も大切なのは、「守る仕組み」と「続ける仕組み」を両立させることです。当社GRASPERSでは、WordPressサイトの新規構築から既存サイトのセキュリティ診断・改善までを一貫してサポートしています。とくに中小企業や個人事業主の方々に向け、次のようなサービスを提供しています。
- ・WordPress初期設定時のセキュリティチューニング(SSL設定・ログイン防御)
- ・定期的な脆弱性診断レポートの提供
- ・不正アクセス検知・バックアップ運用の自動化支援
- ・被害時の復旧対応および再発防止コンサルティング
当社GRASPERSの強みは、「技術」だけでなく「運用」まで見据えた支援にあります。単発的な施策ではなく、長期的な安全性を確立するための仕組みを共に構築していくことを大切にしています。WordPressを安全に使い続けることは、企業の信頼を守ることと同義です。ぜひ一度、現在の運用状況を見直し、未来のリスクを未然に防ぐ体制づくりを始めてみてください。

後書き:セキュリティ対策チェックリスト
最後に、今すぐ見直せるセキュリティ項目をチェックリスト形式で整理します。以下の10項目をすべて実施できていれば、WordPressサイトは基本的な防御体制を整えた状態といえます。
- 1.WordPress・プラグイン・テーマを常に最新にしている
- 2.不要なテーマやプラグインを削除している
- 3.強固なパスワードを使用し、ログインURLを変更している
- 4.ログイン試行制限やIP制限を設定している
- 5.サイト全体をSSL(HTTPS)化している
- 6.定期的にバックアップを取得し、外部にも保存している
- 7.セキュリティプラグインを導入している
- 8.ファイル権限(パーミッション)を適切に設定している
- 9.WAFを導入して外部攻撃をブロックしている
- 10.定期的にメンテナンスとログ確認を行っている
これらの対策を地道に続けることで、「攻撃されにくく、復旧しやすいWordPress環境」を構築できます。WordPressのセキュリティ対策は、一度整備したら終わりではありません。真に安全なサイト運用とは、「防御の仕組みを仕掛けて終わり」ではなく、それを運用し続ける文化を社内に根づかせることです。企業においては、担当者の異動や外注先の変更などによって管理体制が変化するため、「誰が管理しても一定の安全基準を保てる仕組み化」が求められます。たとえば、以下のような役割ごとの視点を意識すると、持続的なセキュリティ体制を維持しやすくなります。
- ■ 経営者・管理責任者の視点:セキュリティを「コスト」ではなく「経営リスク回避の投資」として捉える。WordPressは企業の顔であり、万一の改ざんや流出は企業価値を大きく損なう可能性があるため、年間予算の中に保守・診断費用を計画的に組み込む。
- ■ Web担当者・制作担当の視点:日常の更新作業におけるリスクを最小化する。プラグインを追加する際は必ず信頼できる提供元かを確認し、レビューや最終更新日をチェックする。便利さよりも安全性を優先する姿勢が大切です。
- ■ システム管理者の視点:バックアップの自動化やアクセスログの監視体制を整備し、定期的にログ解析を行う。異常なトラフィックや不審なファイルの生成を検知できる環境を維持する。
さらに、「月に1度のセキュリティ振り返り」を実施することも効果的です。更新・バックアップ・アクセス制御の状況を確認し、社内共有することで、属人的な運用から脱却できます。担当者が変わっても、同じ基準で点検を続けられる仕組みをつくることが、長期的なリスク低減につながります。
また、社外パートナーや制作会社とサイトを共同運用している場合は、「セキュリティポリシー共有シート」を作成し、責任範囲と運用ルールを明確化しておきましょう。たとえば、「WordPress本体・プラグインの更新は誰が行うのか」「バックアップの管理権限はどちらにあるのか」といった役割を明確にしておくことで、万一のトラブル時も迅速に対応できます。
安全なサイト運用のための長期的アプローチ
セキュリティ対策は「攻撃を防ぐ」だけでなく、「信頼を維持するための継続的プロセス」です。特にWordPressは、世界的に利用されているCMSだからこそ、攻撃手法も進化しています。AIを活用した自動攻撃、海外サーバーからの大量アクセス、そしてフィッシング型の改ざんなど、年々手口は巧妙化しています。こうした中で大切なのは、脅威の変化に合わせて守り方を変えていく柔軟さです。定期的にプラグインやサーバー機能を見直し、新しい技術や対策を取り入れることが、結果的にコストを抑える最善策となります。
たとえば、「2段階認証」「IPフィルタリング」「REST API制限」などの高度な設定も、近年ではプラグインで簡単に導入できます。最初は基本的な10の対策から始め、慣れてきたら1つずつ追加していくと、負担なくセキュリティレベルを高められます。
当社GRASPERSの考える「守りながら攻めるWeb運用」
当社GRASPERSでは、セキュリティを単なる防御ではなく、「攻めのブランド戦略の基盤」として捉えています。安全なサイト環境があるからこそ、安心して情報発信やSEO施策を行い、ビジネスの成長へとつなげられる――これが私たちの考えるWebの理想的な姿です。
セキュリティ体制の強化に加え、デザイン・SEO・マーケティングの各専門領域と連携し、「安全×発信力×信頼」の三要素を兼ね備えたWordPress運用を実現します。定期診断や復旧対応のほか、スタッフ研修・社内体制づくりの支援も行っており、企業規模に合わせた柔軟な支援プランをご提案できます。WordPressを使うすべての人に、安心して「発信の場」を持ってほしい。それが、当社GRASPERSが目指すセキュリティサポートの本質です。明日も安全に情報を届けるために、今こそ自社サイトの安全性を見直す一歩を踏み出しましょう。
最後に
セキュリティ対策は、「完璧」を目指すよりも「継続」を目指すことが大切です。今日の安全が明日も続くとは限りません。だからこそ、定期的な更新と見直しを怠らないことが、最大の防御策となります。当社GRASPERSは、WordPressを利用するすべての方に、安心して情報発信を続けられる環境づくりを支援しています。セキュリティ対策に不安がある場合は、いつでもご相談ください。あなたの大切なサイトを、確実に守るための第一歩を、今ここから踏み出しましょう。
 
             
                 
                                