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”らしさ”を輝かせる
ブランディングデザイン会社

2025.06.20 デザインの話

「なんか好き」は偶然じゃない。消費者の心をつかむ“らしさ”のデザイン術

「なんか好き」は偶然じゃない。消費者の心をつかむ“らしさ”のデザイン術

目次

 

“らしさ”とは何か?なぜ今、それが重要なのか
視覚情報がブランド認知を左右する理由
“らしさ”を表現するビジュアルの要素とは
トンマナ設計で印象をコントロールする
体験としてのデザインがブランドを強くする

 


 

 

“らしさ”とは何か?なぜ今、それが重要なのか

「そのブランドらしいよね」「なんかこの会社好きかも」と感じるとき、私たちは理屈よりも直感で“らしさ”を受け取っています。特にモノやサービスが飽和した今の時代においては、スペックや価格だけでなく、価値観や空気感への共感が購買動機につながるようになりました。つまり、ブランドの“らしさ”をきちんと表現することは、差別化を図るうえで極めて重要な要素なのです。この“らしさ”は、言葉や機能では伝えきれないニュアンスを含み、視覚的な体験を通してこそ、効果的に届けられます。

 

 


 

 

視覚情報がブランド認知を左右する理由

人が外部から得る情報の8割以上は視覚からといわれており、第一印象は数秒で決まるとも言われます。ロゴや配色、フォント、写真、イラストのテイストなど、すべての視覚要素が消費者の感情や印象に影響を与えています。たとえば、同じ言葉でも丸みを帯びたフォントで書かれていれば優しさを感じ、角張った書体であれば力強さや信頼感を受け取ることがあります。このように視覚は、意図せずともメッセージを伝えてしまう媒体です。だからこそ、その設計において“らしさ”が滲み出るように調整することが、ブランド認知を築く第一歩となります。

 

 


 

 

“らしさ”を表現するビジュアルの要素とは

“らしさ”を視覚的に表すには、複数の要素を一貫して設計する必要があります。具体的には以下のようなポイントが鍵になります。

  • ロゴ:企業やブランドの象徴であり、最も認識されやすい要素。形状、バランス、配色すべてに意味を込める。

  • カラー:心理的な印象に強く影響。たとえば、ナチュラル志向ならアースカラー、信頼性を伝えたいならネイビーなど。

  • フォント:ブランドの“声”ともいえる存在。明朝体かゴシックか、手書き風かによって印象は大きく異なる。

  • 写真・イラスト:無機質か生活感があるか、人物かモノかなど、構成の選び方で世界観が変わる。

  • 余白とレイアウト:読みやすさ以上に、“どんな印象を与えたいか”に関わる設計思想。

これらをバラバラに扱わず、ブランド全体のコンセプトや価値観に基づいて設計することで、“らしさ”はより強く、自然に伝わります。

 

 


 

 

トンマナ設計で印象をコントロールする

“トーン&マナー(トンマナ)”とは、ビジュアル全体に通底する雰囲気やルールを意味します。たとえばWebサイト、SNS投稿、チラシ、動画など、すべての媒体で統一されたトンマナが保たれていれば、ユーザーは一貫した印象を抱き、「このブランドは信頼できる」と感じやすくなります。逆に媒体ごとにデザインの方向性が違えば、“らしさ”は薄れ、混乱や不信感を招くこともあります。トンマナ設計はブランディングにおける「視覚の人格設計」とも言えるもので、長期的なファン形成には欠かせないプロセスです。

 

 


 

 

体験としてのデザインがブランドを強くする

視覚設計の真価は、「見た目がきれい」という点を超えて、ユーザーに“心地よい体験”を提供できるかにあります。たとえば、Webサイトが直感的で操作しやすかった、商品のパッケージが手に取りたくなるほど魅力的だった、SNSの投稿が世界観にマッチしていて親しみやすかった――こうした体験は、積み重ねられて“好き”や“信頼”へと変化していきます。ブランドの“らしさ”を、見て・触れて・使って感じてもらうことこそが、最も強いブランディングになります。デザインとは単なる飾りではなく、ユーザーとの関係性を深めるための設計なのです。