「おまかせします」が難しいって本当?納得いく制作に必要な“伝える力”

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「おまかせします」は本当に任せられている?
デザイン制作の現場でよく耳にする「おまかせします」という言葉。一見、制作者への信頼の表れのように聞こえますが、実はとても難しい依頼のかたちでもあります。なぜかというと、「何を」「どう」おまかせしたいのかが不明確なままでは、ゴールのイメージが共有できないからです。もちろん、信頼していただけるのはありがたいこと。でも、私たちは“自由”ではなく、“目的に合った最適解”を求められていると感じています。
デザインは“選択”の連続です
デザインには、実に多くの判断ポイントがあります。色、フォント、写真、レイアウト、紙、サイズ、言葉のトーン……どれも「なんとなく」では選べません。たとえば、チラシの配布先が30代主婦層なのか、学生なのかでも選ぶ色や文字の大きさは変わってきます。もし「おまかせ」と言われた場合でも、どんな印象を与えたいのか、伝えたいことの優先順位、避けたい表現など、最低限のヒントをいただけると、仕上がりにぐっと説得力が出てきます。
依頼側が用意しておくとスムーズな情報
「具体的に何を伝えればいいかわからない」という方も多いかもしれません。そんなときは、以下のようなことを事前に少し考えておいていただけると、打ち合わせがとてもスムーズになります。
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目的:何のための制作物なのか?(例:新規顧客獲得、既存顧客向けのリピート施策など)
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対象:誰に向けたものか?(年齢層、性別、職業、ライフスタイル)
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雰囲気:どういう印象にしたいか?(例:やさしく親しみやすく、洗練された、元気で明るく など)
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好き/苦手なデザイン例:参考資料があればベスト!
このような情報をもとに、私たちは「だったらこの構成が良さそう」「この色味なら雰囲気が合いそう」と具体的に組み立てていけるのです。
迷っていても大丈夫。軸を一緒につくることから始めましょう
「正直まだ方向性も定まっていないんです…」という状態でも、遠慮なくご相談ください。私たちは、最初のヒアリングでじっくり話を聞きながら、どこにゴールを置くのか、何を優先するのかという“軸づくり”から一緒に取り組むことも大切にしています。選択肢を提案したうえで、どちらが好みかをうかがう。それを繰り返すことで、自然と目指す世界観が形になっていきます。だから「おまかせ」がダメなのではなく、「一緒に考える」姿勢が大切なのだと思っています。
良い制作物は、良いコミュニケーションから
私たちGRASPERSでは、対話を大事にしながら進めることを心がけています。「言葉にするのが苦手」「こんな曖昧なままお願いしていいのかな」――そんな方でも安心してください。うまく伝えられなくても大丈夫。こちらから引き出していく準備があります。制作を“任せる”ことは、決して丸投げすることではありません。いいデザインは、いい会話から生まれる。そう信じて、私たちは今日も制作の現場に立っています。