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”らしさ”を輝かせる
ブランディングデザイン会社

2025.08.15 デザインの話

ブランドが“動き出す”。動画素材からつくる商品ムービーの裏側

ブランドが“動き出す”。動画素材からつくる商品ムービーの裏側

なぜ今、ブランドムービーが注目されているのか

 

今、商品やサービスを伝える手段として、動画の需要が急速に高まっています。SNS、ECサイト、展示会、採用活動まで、あらゆる場面で「短時間で伝わる」「視覚と感情に響く」表現が求められており、文章や写真だけでは届かない部分をカバーできるのがブランドムービーの大きな強みです。
特にブランドムービーは、“商品の売り”だけでなく、“世界観や価値観”を伝えることができるため、企業のファンづくりや共感を得るうえで非常に効果的なツールとして活用されています。

 

写真や動画素材からでも“魅せる映像”は作れる

 

「うちには撮影予算がないから、動画は無理だと思っていた」──そんな声も少なくありません。ですが実は、すでに手元にある素材(スマホで撮った動画、SNSに上げた写真、イベントの記録映像など)からでも、ブランドムービーは十分に制作可能です。
重要なのは、素材の良し悪しよりも“編集の設計”。伝えたいコンセプトや見せたい雰囲気を軸に、限られた素材を再構成していくことで、見る人の心に届く映像は生まれます。短尺の動画でも、構成や音楽、テロップの使い方ひとつで印象は大きく変わるのです。

 

ブランドムービーに欠かせない3つの視点

 

良いブランドムービーをつくるためには、次のような3つの視点が欠かせません。

・目的を明確にすること
「何のためにつくるのか」が曖昧だと、映像も伝わりにくくなります。新商品の認知拡大、ブランドイメージの強化、ECサイトへの誘導など、目的をはっきりさせることで、構成や尺、伝え方が明確になります。
・ストーリーで魅せること
商品スペックや特徴だけを並べても、見ている人の記憶には残りません。「どうやって生まれたのか」「誰のために作っているのか」といった“物語”の要素を取り入れることで、印象が深まります。
・ブランドらしさを表現すること
フォント、音楽、色合い、テンポなど、細かな演出がブランドの空気感を表現します。素材そのものは変わらなくても、「らしさ」を表現できていれば、それが一貫したブランドメッセージにつながります。

 

実際の制作現場で起きていること

 

ある地元発の食品ブランドでは、Instagramに投稿していたスマホ動画や店舗写真をもとに、1分間のブランドムービーを制作しました。編集では、“手仕事の温かさ”を表現するために、あえて少し揺れたカメラワークや手書き風のテロップを使用。結果、ECサイトのトップに設置したことで、滞在時間が約1.6倍に伸び、動画を最後まで視聴したユーザーの購入率も大幅にアップしたといいます。
素材の質よりも、「どう活かすか」が重要だという好例です。

 

スマホ動画でもプロの手でここまで変わる

 

スマホで撮った日常的な動画素材も、編集次第でブランドムービーに生まれ変わります。たとえば以下のような工夫で、プロらしい仕上がりに近づけることが可能です。

・スローモーションやズームで印象的な場面を強調する
・同じ商品でも、使うシーンをいくつかつなげて「体験」を描く
・動画の前後にブランドロゴやスローガンを挿入し、認知を促す

特に、InstagramやYouTube Shortsなど、縦型動画に対応した編集も今では標準となっており、短時間でもしっかり伝わる動画が求められています。動画の長さよりも、**「見る人の感情を動かす設計」**が成果につながるポイントです。

 

最後に:伝えたい想いを「動き」で届ける時代

 

全国の経営者やスタートアップの皆様へ。動画は決してハードルの高い表現ではなくなっています。今ある素材を生かしながら、自社の想いやブランドの個性を映像というかたちにして届けてみませんか?

映像は、言葉では伝わりにくい“空気”や“想い”をダイレクトに届けられる手段です。写真も文章も持っているからこそ、その一歩先へ。ブランドを“動かす”ストーリーのあるムービーを、ぜひ取り入れてみてください。